村上春樹海辺のカフカ
人は、特別にこれという目的もなく意味もなく、ただ死ぬまで生きないといけない。自然に『生きないといけない』と書いてしまう辺りが、きっと駄目なんだろう。死んだら楽なんだと思い込んでいる。でも自殺なんてとんでもないとも思う。健康みたいだし、それなりに用心深いから事故にあって死ぬようなことも無い。
もっと若い人間には、なんか成長する事そのものの大切さみたいなメッセージが届くのかもしれない。
ジョニー・ウォーカーのくだりは気持ち悪かったが、おおむね面白い作品だった。いろいろ考えさせられた。結局どこにも逃げ場はないのだ。その覚悟を決めて歩きだした人間、もしくはそんなことすら考えない人間はそれなりに、健康に生きて行けるんだろう。自分も少しずつそこに、元々いたはずのそこに戻って行っているはずだ。