幌尻岳
6/24

0651。キャンプ場を出発。セイコマートでサンドイッチと予備の単三電池を仕入れて、いざチロロ林道へ。一回登山口まで往復しているものの、やはり10キロのダートはSRXにはつらい。

0809。登山道に向かう林道ゲート前の駐車場でサンドイッチを食べつつ荷造りをしているとこの時間になってしまった。でも今日の行程は時間的に余裕があるので、焦る事なく普通に歩き始める。初のテント山行なので不安もあるが、それよりも幌尻に向かっている喜びの方が大きい。なんか天気も良いし、ニヤニヤが止まらない。他人が見たらきっと気持ち悪かっただろう。熊に会うと恐いのもあって、鼻歌を歌いながら林道をてくてく歩く。

0850。林道の終点。登山口に到着。話に聞いたとおり、沢沿いの道を歩く。あんまり目印が無くて、しょっちゅう止まってはルート確認。でも序盤は沢上りと言うほどではない。所々ふきの群落の中の踏み跡を歩く。

0912。二岐沢・二ノ沢出合。この辺りからだんだん沢上りらしくなってきた。時々靴を水に浸しながら、沢の左右のトレースを辿る。たまに見えるピンクテープが唯一の頼りだが、久々にルートミスしてしまった。確かに沢だけど、どうも歩きにく過ぎる。地図を確認すると、急登と書いてある。確かに急だ。一応GPSマーキングしながら、間違ってるかもしれないが確信が無いのでさらに上ってみる。完全に道が無くなった。ここで素直に引き返せば良いのに、いつもの悪い癖で、ちょっと上の尾根筋らしく見える所までさらに無理矢理前進。結局、当然のように道は続かず、GPSを頼りに怪しい沢の入り口まで戻る。

1109。一時間ほど無駄にして元の場所まで戻ってみると、すぐ右手にコースマークがあった。他に貴重なタンパク源の納豆も失った。ザックに収まらないのでレジ袋に入れてぶら下げて持ち歩いてたんだが、ルートミスの途中で引きちぎれてしまったようだ。
気を取り直して雪渓を見上げると、上空の天気が怪しい。雪渓を過ぎると、こっちも確かに急登だ。コースミスは、精神的ダメージが大きい。ついでに、結構瞬発力を使う無理をしているのでエネルギーのロスも大きい。そのせいか、急登が辛くてしょっちゅう足が止まってしまう。

1215。トツタの泉。冷たい湧き水がめちゃめちゃ美味い。500ccほどごくごくやって、ついでにおやつの串団子を頬張る。結局これが今日の昼食になった。
元気を回復して歩き続けると前方で鈴の音が。登山口に停めてあったビッグホーンの夫婦連れだった。北戸蔦別岳の山頂往復だと言っていた。
なかなか急な道が終わらず、若干焦りながら先へ進んでいると、一時頃にとうとう雨が降り出した。最初は小雨だったがすぐ本降りになったので、立ち止まってザックカバーをかけつつ一服していると、歩き出す前に雨は上がった。なのでザックカバーをたたんでさらに前進。

1333。ヌカビラ岳?良く分からないが三角点があったので多分そう。ここまでで五時間以上費やしてしまった。ここで一服しながら、七つ沼カールをやめて北戸蔦での幕営を考え始めた。

1412。やっと北戸蔦岳山頂。確かにテントを2つ張れるスペースがあるが、反対は崖になっていてなんだかヤバそうな感じ。結構冷えてきたのでカッパを着込んで、付近に他に幕営地がないか偵察してみることに。偵察しつつ、ルートが南に向いていない事に気がついて愕然とする。慌て山頂まで引き返して、よくよく下を見てみると、やっと南向きの踏み跡を見つけた。危うく大きなコースミスをするところだった。これはだいぶ疲れてるなぁ、と思ったので、今日の移動はここまでにして幕営決定。
初の山テントなので、おっかなびっくりテントを設営して、中でまったりしているとまた雨が降り出した。しばらくすると止んで、外に出てみると割合近くに幌尻の姿が見えた。なだらかに肩を下ろした姿が美しい。
風の音に怯えつつ、今から移動できる訳もなしと諦めて、早めに眠る事にした。

6/25

0432。起床。しょっちゅうフライがバタバタいうのであんまり良く眠れなかった。モーニングコーヒーを淹れてテントから首を出してみると雲海に浮かぶ日高の山並みが美しい。山キャンプの醍醐味はこれか!?飯を湯煎で温めて、ポッカのポタージュ雑炊で朝食。風が弱くて助かったが、またまたおっかなびっくりテント撤収。

0610。まっすぐ南に向かう戸蔦別への道を下る。ハイマツが踏み跡を覆っていて歩きにくい。

0711。ほぼ1時間で戸蔦別山頂。眠れなかった割に快調なペース。途中、幌尻山荘からの上り道の分岐を見なかった。
見下ろす七つ沼カールが美しい。テントを張るには雪が多すぎる感じに見えたが実際はどうだったろう?まぁヒグマ注意のテント場に幕営しなかったのは正解だろう。

0921。相変わらず歩きにくいハイマツの道を下って上り返してやっと幌尻の山頂に到着。思えば遠くへ来たもんだ♪ってな感じでしばし感無量。
日高の山々を見下ろしながらのコーヒーは格別。

1005。途中、幌尻山荘からの分岐も見なかったし、何よりとっとと下山して温泉に入りたい思いがこみ上げてきて、多少強行軍ながら一気に下山することにした。

1200。やっぱり寝不足なのか?上り返しが妙にしんどかったがなんとか戸蔦別の山頂に到着。かなり腹が空いたのでラーメンで昼食に。それにしても蠅とゆうやつはなんて鬱陶しいのか。コッヘルに落ちたら速攻で死ぬくせに、直前で引き返す事ができないのか何匹もラーメンに突っ込んできた。

1237。ラーメンですっかり満腹して先を急ぐ。相変わらずハイマツが邪魔で歩きにくい。

1337。北戸蔦山頂。昨夜はよくこんな所で幕営したもんだ。ここは素通りでちょっと下の雪渓で一服休憩。雪の膝アイシングが気持ちいい。

1409。ヌカビラ岳?着。すでに膝がかなりきてる。早くトツタの泉に着かないかなぁ。雨で湿った急坂がかなり歩きにくい。あと3時間の辛抱か?

1453。トツタの泉。またごくごくやって、ついでに冷たい水で膝とふくらはぎのアイシング。だいぶ元気を取り戻した。が、急坂はまだまだ続く。

1537。昨日のコースミスポイントまで下ってきた。あと2時間くらいか?
沢下りはかなり慎重に歩いたつもりだったがやっぱり焦っていたのか。沢の出合いを過ぎた辺りで痛恨のコースミス。元々渡渉が嫌でこっちのコースを選んだのに、膝から下がすっかり水浸しになってしまった。
仕方なく出合いまで戻ってやっとコースに復帰。もうちょっとコースマークがたくさんあればなぁ。これで20分くらいのタイムロスか。
やっと林道終点まで戻ると、河原でキャンプしている二人組のおじさんに出会った。沢の水の具合とか雪の状態はどうかとかいろいろ訊かれた。
最後の林道歩きは、なんとか日が沈む前にゲートまで戻りたくてひたすら黙々と歩いた。

1746。なんとか日没前にゲートに到着。心配していたSRXのリヤタイヤは、パンクしている訳ではなかった。できるだけ急いで荷物をまとめ、さらに10キロのチロロ林道ダートを走り抜けて、沙流川キャンプに着いたらちょうど7時だった。