十勝岳

1042。登頂開始。今朝はだいぶのんびりになってしまった。ゆうべのキャンプ場のおいちゃんの話をちゃんと聞いとけば望岳台に辿り着けたはずだったのに、よく分からないまま美瑛からの登山口探しを諦めてこの時間になってしまった。
初めは林道の軽い上り道。とにかく最初から暑い。予定していた三段山登山口はうっかり見過ごしてしまった。ちょっと後で出会った二人組のおじさんたちによると三段山ルートは崩落が激しくて危ないと言う。結果的にはこれはこれでラッキーだった。が、次に予定していたホロXX岳経由の登山口は、分岐点で気付いたものの雪渓になっていて、なんだか人が通った形跡がなかったので一旦諦めてしまった。これが最初の失敗か。仕方なく三峰岳ルートに変更したが、ものすごく距離が長くなりそうで、四時間で山頂にとどかなかったら明日再挑戦にしようと決めた。この時点での制限時刻は1430。

1155。たまたま出会った夫婦連れのパーティに話を聞くと、上ホロカメットク山コースを最近通った人の足跡があったと言う。一瞬迷ったが、三峰岳ルートよりも絶対距離が近いと思ったのでUターンしてルート変更に決定。しばらく考えながら歩いて制限時刻を1500に変更。

1232。上ホロカメットク山コース分岐に復帰。確かに雪渓に足跡が残ってた。この時点で制限時刻をさらに甘くして1530に変更。いちおう、Uターンで無駄にした分の時間を差し引いてこの時間にした。そこからは可能な限りハイペース。階段は一段おきにした。途中で最高峰と思わしき峰が二つ見えて、頼むから近い方にしてくれと願ったけど、こういうのはたいがい裏切られるもんだ。やっぱり遠い方が十勝岳山頂だった。上ホロカメットク山に着いた時点で十勝岳まであと2.5キロの表示。たしか時刻は1335。一時間とふんだのでなんとか勝算ありと思った。十勝岳山頂が近づくにつれて思ったのは『お前は醜い!!』なんかさぁ、あの独特の形と暗い色が病人のKKKみたいな感じ。Fuck you!!の手つきをしながら、息せき切って山頂を目指した。

1424。山頂到着。予想通りというか、実は予想外というか、意外と早く山頂に到着。偶然にも、全く同じタイミングで山頂に到着した人がいた。途中の経緯もあって今日は本当に嬉しかったので、思わずその人がいるのも気にかけず、両手を上げてガッツポーズ。『やったー!!』その後、彼のカメラのシャッターを押してあげて、かれが下って行った後に恒例の山頂立ち小便。また一言『お前は醜い』一本目のタバコを吸い終わって、危うく忘れる所だったGPSマーキングをして二本目のタバコを。チョコも一口食べたかな。

1444。満足したし、寒くなってきたので下山開始。去り際の一言も『お前は醜い』
そこからは、割と余裕を持って下山した。タバコ休憩を四回くらいしたか。雪渓を歩いて下るのは、本当に気持ちいい。楽だし。
階段を下りながら、自分の歩き方が変わっているのに気がついた。気がしただけかもしれないが、以前は無造作に踵からガンガン足を下ろしていたのに、今日は爪先から下りていた。そのせいで、最近下りで膝があんまり痛まない代わりにくるぶしが痛むようになったのか。

1652。無事下山完了。思ったよりかなり早かった。五時半を過ぎるくらいと思っていたので。五時半でも、ルート変更時点での悲観的予想よりはかなり早いけど。
登山口の山荘で、一応尋ねてみると案の定予約で一杯。コカコーラの一気飲みでだいぶ気分が良くなって、吹き上げ温泉のキャンプ場で一泊することにした。
キャンプ場で自転車の青年とちょっと会話して、上富良野市街まで下ってビールと夕食と給油をして戻ってきて、さっきの青年とまた会話しながらビールを一缶飲み干してから温泉に。もうちょっとぬるい温泉があったら最高だったけど、なかなか気持ちいい温泉だった。周りの石垣がもうちょっと低いと、夕日が綺麗に見えたんだけどな。で、今は風が吹いて結構寒い中で、ビールを飲みながらこの日記をつけていると。

[感想]
今日は、本当に明日再挑戦しないとダメかと思った。四十座目の記念にもなったし、最高に良い気分だ。なんで久しぶりに発泡酒じゃなくて、本物のビールにした。一番絞りはやっぱり旨いな。でも温泉でのんびりし過ぎて、電話したかった人に電話し損なってしまった。それだけ後悔。